あんなに一緒だったのに。
異なる夕暮れ
そのニュースは、すぐさまイレブンを、本国を、駆け巡った。
『ユーフェミア・リ・ブリタニア皇女殿下が騎士決定!』
『初のナンバーズ!』
『新世代ナイトメアフレームのデヴァイザー!』
『日本最後の首相の息子、枢木スザク』
こらが笑わずにいられるか?
白兜のパイロットがお前で、更にユーフェミアの騎士になるなんて。
もう同じ、あの夏は来ない。
蝉は死んだ。もう生き返らない。
土に埋められることなく生者に喰われるんだ。
あんなに一緒だったのに。
7年間離れただけだったのに。
どうしてお前はここにいないんだろう。
俺の反対側へ行ってしまったんだろう。
今はもう、同じはずの夕暮れさえもきっと違う色に感じるんだろう。
あの夏の日は雪に覆われた。
今だけは、月明かりの下で安らかに眠れ。
明日から、俺はお前を殺すために眠る。
だってもう、俺が手を伸ばしてもお前は違う手をとらねばならないんだから。
そんなお前なんて、要らない。
弱い俺なんて、もっと。