たとえば一緒に出掛けた日には、勘違いだと諭されて、挙げ句翌日には彼女をつくられるシミュレーションをする。

たとえば善財を食べに連れて行ってもらった日には、調子に乗るなと吐き捨てられるシミュレーションをする。

そうやってひどいことを考えて、考えて、高い防波堤を築かないと、笑いかけてかけてくれた瞬間にうっかり告白してしまいそうだった。

たとえば卒業式の日なら、告白してもいいだろか。
でもきっと卒業式は、底抜けに明るいあの人はきっとたくさんの人に囲まれていて、二人きりになれる瞬間なんてきっとないだろう。
テニス部で集合写真を撮る機会ぐらいならあるだろうか。そうしたらその時に、いっそ聞こえないでもいいから。





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